キーボードの進化と未来のパソコン
みなさんは一日のどのぐらいの時間をパソコンの前で過ごしますか?毎日数時間以上もパソコンに向かう人も多いのではないでしょうか。このことが、みなさんの健康にどのような影響を及ぼすのか、という問題に対する関心はますます高まっています。画面を凝視することによる目の乾燥や疲労、視力の低下の問題、電磁波の健康への影響、長時間同じ姿勢で座っていることに起因する肩こりや腰痛等々、パソコンを使って長時間する人たちの体はボロボロのようです。中でも多くの人に深刻な問題を引きおこしているのが、長時間キーボードを打ち続けることによる問題です。今回は、パソコンを使った作業につきものの、このキーボードの問題を長年研究してきた私が、理想のキーボードについての研究成果をみなさんに少しだけご報告することにしましょう。
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キーボードから入力する作業がナゼそんなに体に負担になるかというと、それには大きく3つの理由があります。
1つ目の理由は、両手のひらを下に向けることが原因です。人間の腕の構造から考えると、机に向かって両手を前に出したときに両手のひらは互いに向かい合って、机に垂直になる姿勢がもっとも自然なのです。
(→『手のひらポジティブ・シンキング』(2001.1.29)を参照)ところがキーボードを打つためには、手の平が机に向くように両腕を捻るため、ここに無理が生じるのです。長時間このような姿勢をとっていると、両腕の内側の筋がおかしくなってしまう場合があるようです。したがって、キーボードからの入力作業を一日中続けている人は、たまに休憩をとって両腕をブラブラとさせるなどして、両腕の緊張を和らげることが必要です。
この問題を解決するために、さまざまなキーボードが開発されています。その多くは、キーボードの表面が左右に分かれ、山なりにもちあがった形状をとることによって、この両腕の捻れの問題を解決しようとしています。左の写真はこのような、腕の捻れの問題に対応したキーボードの例です。キートップが中央から左右に分かれ、それぞれが跳ね橋のように立ち上がることによって、両腕のひねりを緩和しています。でも、これはずいぶん変わった形をしてます。みなさんの中で、このタイプのキーボードを見たことがある人は、あまり多くはないのではないでしょうか。
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2つめの原因は、一直線に並んだキーを打つために、手首を水平に捻ることです。これは、自然な状態では腕は両肘から斜め方向に机の上に出てくるのに、キートップの配列は横一直線であるため、これに合わせるために手首を外側に捻らなくてはならないことが理由です。この姿勢で長時間入力作業を行うことにより、手首に疲労が蓄積し、腱鞘炎などを起こすことがあります。
長時間キーボードの入力作業を行うことにともなう最も大きな疲労が、この2つめの理由から引きおこされるようです。この点からも、たまに手首をブラブラして、手首にかかる緊張をリリースしてあげることが重要です。また、この理由による手首の捻りは左手の方が大きいことが知られています。そのため、ほんのちょっとだけキーボードの右端を手前に引いて、斜めに置いて使うとよいなどという人もいます。
この問題に対応したキーボードは、みなさんもパソコン・ショップの店頭などで見かけたことがあると思います。あるいは、実際に使っている人も多いのではないでしょうか。
このタイプのキーボードは、左の写真のようにキートップが左右に分かれ、さらに扇形に開いた形をしています。よく「人間工学を考慮したキーボード」などと言われるものは、この2つめの問題に対応したものを指す場合が多いようです。
でも、使いやすそうに見えるこの「人間工学型」キーボードにも、実は問題があります。このタイプのキーボードは、手首にかかる2つめのストレスは解消されますが、その代わり肩が凝ってしまうのです。
なぜかと言えば、キートップが左右に扇形に開いているため、このキーボードに向かうと必然的に両肘も開かなくてはならないからです。つまり両肘を体から離した状態で入力を続けなくてはならないため、二の腕や肩に負担がかかり、結果として肩や背中に疲労が蓄積してしまうのです。
みなさんも重いカバンや荷物を持ったときなどに、それを少し体から離すようにしないと歩けなくて困ってしまうという経験をしたことがあると思いますが、重い荷物を体から離して持つのには、大変な力が必要です。あるいは小学校のときなどに、掃除をさぼった罰として水をいっぱいに入れたバケツを1つずつ両手にもって、両腕を左右に水平にあげろ、などと言われた経験のある人はいませんか。これは大変つらいですね。
なぜつらいかと言えば、人間の体は、自然な状態では両腕は体の側面に沿ってまっすぐ下に垂れているからです。これに対して、両腕を体から離した状態にするためには、力が必要です。この状態を長く保つことは、やっぱり肩や背中などに負担がかかるのです。
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3つめの問題は、キーボード入力をするときに、手のひらの手前側を机の上につけた状態で入力をする人に多く発生する問題です。つまり手首を後ろ向きに反らした状態で作業を続けるために、手の甲に力がかかり疲労が蓄積します。この状態で疲労が過度に蓄積されると、手の甲の疲労骨折などを起こす場合があります。
この対策としては、手のひらを机につけずに入力を行う方法があります。ピアノを弾くときのように、手を宙に浮かせた状態で入力するわけです。しかしノートパソコンのユーザーには、キーボードの手前のパームレストと呼ばれる部分に手のひらをベタッとつけて入力する習慣がついている人が多いようです。この場合、2つ前の写真にあるように、キーボードの手前にパッドなどを置いて、手首が逆向きに反らされるのを緩和するしかないでしょう。
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こういったキーボードにまつわるさまざまな問題を一気に解決しようとする画期的な試みもあります。例えば左の写真のキーボードはかなり変わった形をしていますが、このような問題に対する一つの解決策を提示しています。Safe Typeと呼ばれるこの製品は、以上にあげた3つの問題をすべて解決できる可能性があります。
このキーボードは左右が独立しているだけでなく、これが垂直に立ち上がっているために、手のひらが机に向くように無理矢理捻る必要がありません。また左右独立したキートップの間隔が適切なため、両肘を体につけたまま作業ができますし、手首の横方向への捻りも発生しません。ただ、この形状のためにキートップを実際に見ることが非常にむずかしいという欠点があります。そのため左右にミラーが取り付けられていますが、基本的にはやはりブラインドタッチが完璧にできる人でないと、使いこなせないかもしれません。
この画期的なキーボードを使って実際に入力をしている例が右の写真ですが、手首にも腕にも肩にも無理がかからない、非常に自然な姿勢で作業ができているようすがわかります。
毎日長時間パソコンに向かっているため、体のあちこちにストレスが溜まってしまってどうも調子が悪くて仕方ない・・・なんて方には、この製品はお薦めかもしれません。
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ところで、右の写真で入力をしている女性の姿勢ですが、何かに似ていないでしょうか?長年理想のキーボードを求めて研究をしてきた私は、このSafe Typeの写真を見たときに、あるすばらしいアイデアがひらめいたのです!
じつは、この写真の女性がとっている姿勢は、アコーディオンを弾いているときの姿勢に似ているのです。姿勢だけでなく、キートップの位置もアコーディオンと共通点があります。実際のアコーディオンでは、アルファベットのキーボードの代わりに鍵盤がついているという違いがあるだけです。
そこで私は長年のキーボード研究の成果を取り入れ、さらに地球環境問題を一挙に解決する可能性を秘めた新しいパソコンの試作品を作ってみることにしました。下の写真がその試作品です!!
このパソコンはベルトで首から吊した状態で、アコーディオンを弾くようにフィゴの部分を広げたり縮めたりして発電しながら使います。従来のモバイル型パソコンの永遠の課題は、(1)重さ、(2)バッテリーのもち時間、(3)キーボードの使いにくさ、の3つでした。このセルフ発電式アコーディオン型モバイルパソコンは、これらのうち、(2)と(3)の問題を見事に解決しました!!自分で発電しながら使うため、(疲れない限り)永久に使えますし、また、キーボードはSafe Typeと同様に左右独立して垂直方向に取り付けられているため、腕や肘や肩に無理な力がかかりません(ただし首に7キロほどの重量がかかります)。
いかがですか?このアコーディオン型モバイルパソコンの試作品、気に入っていただけましたか?
すばらしいアイデアでしょう??
(って、発電に必死でパソコンどころじゃないかも・・・)
参考:
・『新型iMacとディスプレイ進化論』(2002.1.8)
・『水冷式コンピュータ』(2001.10.22)
・『手のひらポジティブ・シンキング』(2001.1.29)
ついでに・・・
・『水冷式コンピュータ』(2001.10.22)で登場を予言(?)した
水冷式のノートパソコンがほんとに出たよ、というメールを
複数の方からいただきました。
実際に日立から7月あたりに水冷式のノートパソコンが登場するようです。
メールをいただいた方、遅くなりましたが、ありがとうございました。